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第5期ツリーハウスビルダー養成講座 第3回レポート

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今年初めての講座です。前回に引き続き、晴れています!
5期生は本当に天候に恵まれています。
季節外れの温かさ。防寒対策をした受講生達も拍子抜けする程でした!

金谷に到着してから、講座が始まるまでの受講生の過ごし方も最初と比べると随分変わってきました。
中には海の幸を求め、集合時間ギリギリまで回転寿司で栄養補給するメンバーも!

第3回の内容

・ツリーハウス制作
・アーボリカルチャー入門 

[1日目]
今回も2班に別れ、講義と実技講習を1日ずつ交代で行いました。

僕らの班は講義『アーボリカルチャー入門』へ。
アーボリカルチャーとは欧米を中心に発展してきた樹木の管理技術の総称だそうで、日本では樹芸学に当たるそう。
今回の講師は、樹木医の深沢尚樹さん。株式会社 葉守 で普段から樹木調査・治療、高木剪定・伐採をされており、あの屋久杉の調査も担当された方です。

講義は先ず、樹上での安全な作業方法についての解説から始まりました。
既にツリークライミングの練習で、安全管理の大切さを感じているだけに、大変勉強になる内容でした。

ツリーハウスビルダーも含め高所作業者は、身体を支えるギアや、何本ものロープの合間をぬって、工具を扱います。
さらに、樹木関連での高所作業では、刃の付いた工具が多く扱われます。
もし、テンションの掛かったロープにドリルやチェーンソーが触れれば、即落下に繋がります。
刃物とロープは本来、最も危険な組み合わせ。また、工具を落とせば、下にいる作業者に危険が及びます。作業者同士の連携もとても大切です。

テキストに太字で書いてありました。“高所作業者は自己責任において持ち分の各道具の数量、状態を把握する”。やはり確認と段取りです!
これは高所作業に限らず、全ての仕事でもそうなのですが…命に直結する事なので、重ねて説明されました。

講義では、深沢さんの普段の作業を写真で見せて頂きました。
刃渡り1.2mの特大チェーンソーで、大木を吊り切りされた時の写真を拝見しましたが、これは、通常の伐木技術を越えており、樹木の知識と、確実な伐木技術がある方でないと担えない仕事だと感じました。
それにしても…ヘルメットにゴーグル、イヤマフ(耳あて)に高所作業用のスパイクブーツ、手には特大チェーンソー。特殊部隊員のような格好でした(笑)

講義は進み、リスクアセスメント(危機分析)の話に。
これは一般的な作業では、電線の有無、人や車の往来などの分析があります。
また事故発生を想定して車両の進入や携帯電話の電波状況を把握するなど。(勿論、他にも多くありますが…)
今回は、樹木を扱う作業での特殊な危険因子に焦点を当てて教えて頂きました。

キノコは危険なのです…
たまに見かける、樹木に着いているキノコ。
実は木そのものを枯らせてしまう物もあるらしく、その危険性は高いのだとか。また、樹木表面にカビやコケのように貼り付く種類もあり、よく観察が必要なのだとか。
このキノコが食べられるかどうか?の本は良く見かけますが、樹木にどう影響するか?は見かけませんね。その分、この分野での分析はまだまだなのだとか…。

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その他、樹木の危険な症例をお話頂きましたが、特に印象に残ったのは、街で見かける街路樹のお話。
実は、これが最も過酷な環境で生きていて、危機なのでは?との事。
剪定の失敗、近隣住民の日照権を考慮し下半分だけ刈り取られ、根元は工事でズタズタの上、硬いアスファルト。冬にはキラッキラの電飾を幾重にも巻かれ…。

樹木は、生きている。僕らは生きた樹木を相手に作業し、建物を建てさせて頂く。
改めて大切な事を感じた時間でした。

その頃、実技班はというと、丁度ホストツリーにお神酒を捧げ、これからの作業の安全を祈願、樹木に礼節を尽くしているところ。
材木でホストツリーに大まかなイメージを付けて行きます。が、ここで問題が…
当初想定していた箇所が、樹木側の問題でGL(ガルニエ・リム)が打てなそう…
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樹木と対話しながら作り上げる、設計図のない建物。それがツリーハウス。
コバさんのご判断で、今回は予想よりかなり高い位置に建屋が組まれる事に。
その高さ、7.2m!!
通常の建物の3階くらいでしょうか…高さだけで言ったらプロ並みだとか…
今から楽しみですが、クライミングでの作業が多そう、頑張らねば!

1日目の作業はこうして、終了しました。
後は、ゆっくりお風呂につかり、Minminさんとナベちゃんが作る夕食をお腹いっぱい頂きます。

夜。特別にコバさんの撮影された写真を見ながら、現在取り組まれているプロジェクトのお話や、ご出演されたテレビCMなどを皆で見ました。こうして金谷の夜は更けていきます…。

[2日目]

僕らの班は、実技へ。

GL(ガルニエ・リム)を打ち込みます。
いよいよ本格的に5期生のツリーハウス造りが始まります!

GLはツリーハウスを支える特殊金物です。TAB(ツリー・アタッチメント・ボルト)とも呼ばれ、それ自体は、1本で1.5tの重さに耐えられる構造。但し、これは、樹木側の条件が良い場合の為、実際に掛けれる加重は、樹木の状態をよく見ながら調査と経験で判断して行きます。

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デッキの基礎となる重要なパーツ。水平・垂直を保つ事が特に重要です。その為、最初のインパクトからドリルに何度も水平器を当てながら慎重に作業を進めます。
先ずは、地上で何度も練習を繰り返します…

ドリルは2種類あり、1本目は長尺。GLボルトの長さ分だけ深く掘ります。
2本目はボルドの座面が収まる部分を広く掘ります。座分を掘る為、“座掘る(ザボル)”と呼んでいます。響きが面白くて、ザボルを連呼しました!(笑)
生の樹木は、練習で使用した枯れ木とは違い、抵抗が大きい。その為、ドリルは強くインパクトしないと、中々掘り進める事が出来きません。

ようやく空いたGL用の穴。
露出した面は、樹木の傷口。すぐに保護クリームを塗ります。このクリーム、成分の90%が木工用ボンドと同じだとか。クリームは、ドリル穴・座面穴が隠れる程たっぷり塗します。これは指で塗り、感覚で確かめるしかないのですが、なんとも不思議な感触です。

そして、いよいよGLが打ち込まれます。このGLを打ち込む工具が以上に重く、支えているだけでもしんどい。作業に当たった受講生は、汗だくです!
ドリルにしろ、ボルトの打ち込みにしろ、とにかく樹上での身体の固定が何より難しいです。
コバさんやスタッフの皆さんは、やはり樹上での力みがなく簡単そうに動いていますが、いざ自分でやってみると全身ガチガチです。
木を足で挟み込んで身体を固定していた為、内転筋が筋肉痛です!(笑)
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今回は、GLを2本打ち込んだところで、作業は終了しました。

講座は第3回に入り、いよいよ建て込みが始まりました。
これから少しずつツリーハウスが形になって行きますが、まだ全体像が解りません。
次回は、受講生達によるプレゼンが行われ、それぞれが描いた完成予想図の発表があります。

どんなツリーハウスが姿を現すのか!?
まだ、完成予想図の宿題が全く進んでいない…!!
今回のレポートは きむ がお送りしました!

5期生 木村 一貴